僕が音楽を聴き続ける理由になった10枚のアルバム
今週のお題「愛用しているもの」
なんか関連しそうなので。
最近はとんと音楽を聴かなくなりましたが、数年前まではかなり音楽を聴くこと、というよりもレコードやCDを買うことが、人生の至上の喜びでした。
で、ふと、1枚丸ごと好きなアルバムって、何枚くらいあるかなあと思い、書き出してみることにしました。
名盤と言われるものは全然ないし、むしろ、なんでこのアーティストでこれなんだよってやつばかりなんですが、好きなんだからしょうがない。でも、このアルバムを聴いたとき、ああ、僕は音楽が好きでよかったなあと思ったのは事実。
1. CAROL A DAY IN A GIRL'S LIFE / TM NETWORK
- アーティスト: TM NETWORK
- 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックダイレクト
- 発売日: 2013/02/20
- メディア: CD
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自分が人生で初めて金を出して買ったポップミュージック。
Carol組曲も途中のシングルまとめも、全部いまだに好き。
ちなみに少し前にDELUXE EDITIONが出たが、あまりにもクソな内容で速攻で倉庫入りした。EPICってTMへの愛情は欠片も残ってないのな。
2. Lefty in the Right~左利きの真実 / L⇔R
- アーティスト: L-R
- 出版社/メーカー: ポリスター
- 発売日: 1997/07/25
- メディア: CD
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僕にとっての渋谷系の最高傑作はパーフリでもオリラブでもなく、L⇔Rのこのアルバム。
1曲目Lazy Girlのイントロのドラムフィルのサンプリング音からコーラスの部分を自宅のCDプレイヤーで聞いた瞬間にぞわっとたった鳥肌は、今でも忘れられない。ブックレットが油紙っぽい独特な紙を使っていて、その匂いも込みで好きだった。
- アーティスト: Xtc
- 出版社/メーカー: Imports
- 発売日: 2015/11/06
- メディア: CD
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僕の人生で最初に好きになった洋楽のアルバム。これも1曲目garden of earthly delightsのオーケストラのチューニングっぽい音で、心をぐっとつかまれたままずっと聴きつづけてしまう。数年後にカジ君のla boomを聞いて、おーいっと思ったのは今でも忘れられない。
4. Free Peace Sweet / Dodgy
- アーティスト: Dodgy
- 出版社/メーカー: A & M
- 発売日: 1997/07/18
- メディア: CD
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ブリットポップ全盛時代に一番好きだったのは、oasisでもblurでもpulpでもなくdodgyだった。
アルバム全体を覆うピースフルな雰囲気と不穏な影のバランス感がすごく好き。まあ、good enough一曲で全部持って行かれるのだけど。このテーマを思いついたときに最初に思いついたのはこれとoranges & lemonsだった。
5. プレイボーイ・プレイガール / Pizzicato Five
- アーティスト: Pizzicato Five
- 出版社/メーカー: 日本コロムビア
- 発売日: 1998/10/21
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ピチカートで一番好きなのはこのアルバムだ。DJの感覚とポップミュージックの感覚が高いレベルで融合してるように思う。小西康陽が「ほんとに近頃不景気」と言ってから20年経ったけれど、あの頃より今の方が不景気なのが悲しい。
6. Odelay / Beck
- アーティスト: Beck
- 出版社/メーカー: Geffen Records
- 発売日: 1996/06/18
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これがリリースされた当時、音楽を好きな人でこれを聞かなかった人はいたんだろうかってくらい、誰もがみんな聞いていたように思う。Where It's Atの"2 turntables & microphone"ってフレーズは、永遠に残るべき名フレーズ。あと、The New Pollutionはポップソングとして大好き。
7. Rooty / Basement Jaxx
- アーティスト: Basement Jaxx
- 出版社/メーカー: Astralwerks
- 発売日: 2001/06/26
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ダンスのアルバムで丸ごと好きだったのって、そんなにないんだけど、最初に思いついたのはこれ。当時、ちょうどDaft PunkがDiscoveryで一気にクラブミュージックの空気を替えていた時代だったので、basemen jaxxはどうするんだろうと思っていて出てきたのがこれだったので、度肝を抜かれた。do your thingは永遠のアンセム。
8. holiday plug in! / FUZITA BLENDER
- アーティスト: FUZITA BLENDER
- 出版社/メーカー: フレイヴァー・オブ・サウンド
- 発売日: 2000/02/21
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日本で鬼っこのように発展したビッグビートとラウンジダンスの融合の着地点はこのアルバムだった。おもちゃ箱の中に放り込まれていた壊れかけのグリコのおまけや、ファミコンソフトの説明書のきれっぱしを集めて作ったような音楽。こういう音楽を作る人はとんといなくなってしまった。
9. Going Up / Kidda
- アーティスト: Kidda
- 出版社/メーカー: Skint
- 発売日: 2008/08/04
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初めて聞いたのはunder the sunのherve remixだったのだけど、アルバムを買ってうわあとびっくりさせられた。そして、fuzita blenderを思い出した。go! teamよりも密室だけどfuzita blenderよりもダンスフロアでB-Boyというすごく隙間な名盤だと思うんだけど、全然売れなかった。
10. tout! / CUBISMO GRAFICO
- アーティスト: CUBISMO GRAFICO
- 出版社/メーカー: インディペンデントレーベル
- 発売日: 1999/09/18
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一枚の作品の中に自分の持っている音楽に関する経験を全部封じ込めたような1枚。ミュージシャンのデビューアルバムとしてこれよりもすばらしいものはそうは無いのでは。そもそもアルバムのリードトラックとして作られたmississippi oneはモチーフにしているwhistle songと同レベルに堂々としたたたずまいの名曲。
やっぱ、90年代後半から2000年代前半に偏るなあ。
BEST of シングルカットしていないのに知られているJ-POP
ツイッターを眺めてたら、こんなのが流れてきた。
園児の娘が「ニホンをインドにしてしまえ!」と叫びながらカレーの絵を書き殴ってた。?と思ったら、またピラメキーノの仕業だ。そう言えば先日会ったオーケンが「『日本インド化計画』は世界二大・シングルカットしていないのに知られている曲」と。 twitter.com/s_hakase/statu…
— 水道橋博士さん (@s_hakase) 9月 5, 2012
へー、シングルカットされてないんだと思って調べてみたら、3枚目の猫のテブクロに収録されてるけど、このころにはシングルカットされてないんだね。
とはいえ、世界二大ってことはないよなあと思いつつ、このツイートに対して、
>世界二大・シングルカットしていないのに知られている曲 もう一つは久保田のMissingか?
— hiroaki matsumotoさん (@mats3003) 9月 5, 2012
とツイートしてみたら、友人から
@mats3003 サザンの“希望の轍”もそうですね。あれもシングルカットされてません。
— ホリイマサアキさん (@waltzanova) 9月 5, 2012
と来て、そういやそうだと。
世界二大の候補がいきなり、3つも出てきたぞと苦笑しつつ、意外とこういう曲っていろいろあるのかもねえと思い、じゃあ、ちょっと調べてみようかと思い書いてみることにしました。
こういうのやるなら、NAVERあたりの方が便利なんだけど、ここを放置するのもちょっと心苦しかったのでね。
ってことで、ここからは折りたたみ。
まずはさっきのそれぞれの曲のようつべを。
筋肉少女帯 - 日本印度化計画PV
80年代はアルバムをリリースすると、代表曲のPVをつくることがあったみたいで、シングルカットしてない曲のPVがたまにありまして、これもその流れですね。ただ、この曲、曲名は知ってても聞いたことない人が意外と多いと思う(苦笑)僕もフルトラック聞いたのは初めてかも。
MISSING 久保田利伸
ある意味、Jバラードの定番曲のこれも実は久保田のデビューアルバムの曲でシングルカットはされてません。もう一つの名曲CRY ON YOUR SMILEはカットされてるんですけどね。
Southern All Stars - 希望の轍(90-91)
ちょっと音源がよれよれですが(苦笑)これも稲村ジェーンのサントラ曲なので、シングルにはなってません。それどころか、本来の名義はサザンですらなく「稲村オーケストラ」だったりします。
もちろん、ほかにもありましてユニコーンだとMay Be Blueなんかもそうですね。80年代あたりはシングルは切らないでアルバムだけでデビューってパターンが割とあったように記憶してます。
UNICORN(ユニコーン) Maybe Blue
TM NETWORKは有名な曲は大体シングルカット、もしくはカップリングになってますが、有名どころではBe Togetherがリリース当時はシングルカットされてません。もっともこの曲の場合、ファン以外が耳にするようになったのは鈴木亜美がカバーするようになってからですが。
BE TOGETHER-ビー・トゥゲザー-
もっと古いところになるとYMOも実は東風がシングルカットされてません。(正確にはイギリスではシングルカットされてるが、日本やアメリカでは未カット)今じゃ誰でも知ってる代表曲なのですが。まあ、1stはシングルカットをしてないので、ファイアクラッカーや中国女もシングル化してないのですが。
YMO 東風(TONG POO)
はっぴいえんどでは風をあつめてがシングルになってません。正確に言えば99年にあしたてんきになあれのカップリングでカットされてますが、リリースから30年近くたっています。
【高音質】風をあつめて / はっぴいえんど
山下達郎も調べてみたら、パレードがリアルタイムにはシングルカットされてませんね。カットされたのはリリースしてから5年以上たってから、シュガーベイブのDOWNTOWNとのカップリングという形式。さらに追って90年代にタイトル曲としてカットという形。ま、これはちょっと微妙なところかな。
山下達郎 パレード ナイアガラ・トライアングル VOL.1
でもって、忘れちゃいけないのがユーミン。90年代の彼女の代表曲の一つ、リフレインが叫んでいるもシングルになってません。まあ、このころのユーミンは余裕で100万枚売ってたので、誰でも知ってるレベルになってますが。
リフレインが叫んでる~松任谷由実さん
さがせばもっとある気がするし、洋楽でもあるような気がするけど、ちょっとそこまでは手を広げるときりがないのでこの辺で。
ただ、なんとなくだけど、90年代以降のバンドってこういうのってない気がする。
それはシングル偏重とかいうわけでもなく、アルバムの曲がラジオなんかでパワープッシュされるって機会があまりなくなってるんじゃないかと思うんだけど、そもそも、今、ラジオからヒットって生まれるのかいなという話もあるわけで。
あと1枚のアルバムが中学校の同級生の間の共通言語的に聞かれるってことも、今はないんじゃないかなあ。
僕らの時代だと、ボウイやブルーハーツあたりは、一枚もアルバムもシングルも持ってないけど、一通り知ってるくらいだったんだが、そういう時代じゃないだろうし。
他にあったら教えてくれるとうれしいなと。
"Big Beat Anthems"の曲を全曲紹介するよ。(その4)
ってことで、最終回です。(今まではこちら⇒ その1、その2、その3)
どうやら、もうこのCD売ってるみたいね。僕も今度見つけたら買おうっと。
- アーティスト: Ministry of Sound
- 出版社/メーカー: Ministry of Sound UK
- 発売日: 2012/04/10
- メディア: CD
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11.
Tzant - Sounds Of The Wickedness
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最初はいわゆるユーロポップ界隈のアーティスト。ベースラインが気持ちいいブレイクビーツハウスっぽい曲。僕はtzantだとこれよりもcaptain funkのmix cdにも入っていたbounce with the massiveの方が好きなんだけど、まあ、ほぼ同趣向ですな。こういう一歩間違うとユーロビートすれすれなチーキィな音もビッグビートのある一側面だったのは間違いない。
12.
Josh Wink - Higher State of Consciousness (Tweekin Acid Funk)
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先ほどのチーキィなノリから一変して、josh winkの名曲。アシッドな音色がぐいぐいと上昇していく言わずと知れたアシッドレイヴアンセム。延々と鳴り響くアシッド音とブレイクビーツの組み合わせこそシンプルながらもいまだに様々なリミックスやリエディットがリリースされ続ける名曲。
13.
Freeze by Cut La Roc (high res\Official video)
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ベースラインはちょっとアシッドな雰囲気を受け継ぎつつ、より攻撃的なトラックは名門skintの中でも職人気質なアーティストcut la rocによるもの。この曲は時期的にはビッグビート末期なのでややハウス寄りなトラックになっている。こういうダークめで重たいハウスってビッグビート末期は多くなってた印象。
14.
Magic Carpet Ride (Fatboy Slim Latin Ska Acid Breakbeat Mix)
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曲はnorman cook大先生のmighty dub katz名義の名曲のfatboy slim名義でのセルフリミックス。これ、ちなみにプロデュースはpizzaman名義なので、1曲の中にソロ名義が3つ入ってるというカオスな事態になってたりする。リミックスタイトル通りスカっぽい掛け声とブレイクビーツにアシッドな音色が乗っていて、とにかくネタ山盛りな曲になってる。
15.
Felix Da Housecat - Silver Screen (Shower Scene)
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これはもうトラック的にはニューエレクトロですな。家猫ことfelix da housecatの大ヒット曲。これ2003年くらいだと思ってたんだけど、2001年なんですな。UKのロックとダンスの中間的なサウンドの名門レーベルcity rockersの最初のリリースなのか。エレクトロなSE音とmiss kittenのつぶやき声が後のエレクトロの10年の歴史を全部含んだ音。
16.
SOL BROTHERS - THAT ELVIS TRACK
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これは96年ごろのビッグビート初期のころのハウストラック。レーベル的にもアーティスト的にもいわゆるスピードガラージからハードハウスよりの音になるはずが、この曲だけ突然変異のようにサンプリングを多用したブレイクビーツハウスになってる。この曲はDJ MIZUTAさんが紹介しててその記事で初めて知った。
17.
The Wiseguys. Start the commotion
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そして曲はラストに向けて王道ビッグビートに回帰。ビッグビート時代の最重要人物toucheによるwiseguysの大傑作。これはもうサンプリングミュージックとしてのビッグビートの面白さのエッセンスが詰まった僕も好きなビッグビートベスト5に必ず入る曲。なぜかeric kupperとかdj spinnaとか異色の人たちにリミックスされてたりする。PVも楽しいのでおススメ。
18.F.C. Kahuna - 'What Is Kahuna (Fatboy Slim Remix)
fc kahunaはkafuna cutsというレーベルも手掛けていたこれもまたbig beatの有名どころ。ただ、いまいちピリッとしないまま消えてしまい、fc kahunaもcity rockersやskintからリリースするようになった。この曲はfatboy slim大先生によるリミックス。スクラッチと彼が当時よく使っていた荒々しいブレイクビーツが特徴的なトラック。っつうか、このCD、fatboy slim関連が多すぎ!
19.
Midfield General - Devil in Sports Casual [HD]
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skint総帥damian harrisによるmidfield generalの代表曲。声ネタと派手派手しいビートと不穏なベースラインで、どこかダークに人を煽るようなトラック。ちなみにdamianは自分でプログラミングなどをしないらしく、この曲はfatboy slimも手掛けるsimon thorntonがエンジニアリング。
20.
Mr Scruff - Spandex Man
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そして、全40曲のラストはmr. scruffのユーモラスなブレイクビーツ。今やninja tuneの看板の一人だが音のテイストは割と今まで変わらずにユーモラスでジャジーなテイストを持ち続けているのは面白いところ。しかし、この曲、アルバム曲なんだが、なんでこんな渋い曲で終わるんだ?
ということで、ビッグビートのコンピなのに半分以上が世間が考えるビッグビートじゃないあたりにこのCDの肝がある感じです。いやはや面白いコンピですが、まあ、考えてみるとビッグビートが完全に終わってからもうすでに10年たつという今だからこそ、できたコンピなのかもしれませんな。