ラヂオスター

なんか書くための場所

"Big Beat Anthems"の曲を全曲紹介するよ。(その4)

ってことで、最終回です。(今まではこちら⇒ その1その2その3
どうやら、もうこのCD売ってるみたいね。僕も今度見つけたら買おうっと。

Big Beat Anthems

Big Beat Anthems

11.
Tzant - Sounds Of The Wickedness
- YouTube

最初はいわゆるユーロポップ界隈のアーティスト。ベースラインが気持ちいいブレイクビーツハウスっぽい曲。僕はtzantだとこれよりもcaptain funkのmix cdにも入っていたbounce with the massiveの方が好きなんだけど、まあ、ほぼ同趣向ですな。こういう一歩間違うとユーロビートすれすれなチーキィな音もビッグビートのある一側面だったのは間違いない。

12.
Josh Wink - Higher State of Consciousness (Tweekin Acid Funk)
- YouTube

先ほどのチーキィなノリから一変して、josh winkの名曲。アシッドな音色がぐいぐいと上昇していく言わずと知れたアシッドレイヴアンセム。延々と鳴り響くアシッド音とブレイクビーツの組み合わせこそシンプルながらもいまだに様々なリミックスやリエディットがリリースされ続ける名曲。

13.
Freeze by Cut La Roc (high res\Official video)
- YouTube

ベースラインはちょっとアシッドな雰囲気を受け継ぎつつ、より攻撃的なトラックは名門skintの中でも職人気質なアーティストcut la rocによるもの。この曲は時期的にはビッグビート末期なのでややハウス寄りなトラックになっている。こういうダークめで重たいハウスってビッグビート末期は多くなってた印象。

14.
Magic Carpet Ride (Fatboy Slim Latin Ska Acid Breakbeat Mix)
- YouTube

曲はnorman cook大先生のmighty dub katz名義の名曲のfatboy slim名義でのセルフリミックス。これ、ちなみにプロデュースはpizzaman名義なので、1曲の中にソロ名義が3つ入ってるというカオスな事態になってたりする。リミックスタイトル通りスカっぽい掛け声とブレイクビーツにアシッドな音色が乗っていて、とにかくネタ山盛りな曲になってる。

15.
Felix Da Housecat - Silver Screen (Shower Scene)
- YouTube

これはもうトラック的にはニューエレクトロですな。家猫ことfelix da housecatの大ヒット曲。これ2003年くらいだと思ってたんだけど、2001年なんですな。UKのロックとダンスの中間的なサウンドの名門レーベルcity rockersの最初のリリースなのか。エレクトロなSE音とmiss kittenのつぶやき声が後のエレクトロの10年の歴史を全部含んだ音。

16.
SOL BROTHERS - THAT ELVIS TRACK
- YouTube

これは96年ごろのビッグビート初期のころのハウストラック。レーベル的にもアーティスト的にもいわゆるスピードガラージからハードハウスよりの音になるはずが、この曲だけ突然変異のようにサンプリングを多用したブレイクビーツハウスになってる。この曲はDJ MIZUTAさんが紹介しててその記事で初めて知った。

17.
The Wiseguys. Start the commotion
- YouTube

そして曲はラストに向けて王道ビッグビートに回帰。ビッグビート時代の最重要人物toucheによるwiseguysの大傑作。これはもうサンプリングミュージックとしてのビッグビートの面白さのエッセンスが詰まった僕も好きなビッグビートベスト5に必ず入る曲。なぜかeric kupperとかdj spinnaとか異色の人たちにリミックスされてたりする。PVも楽しいのでおススメ。

18.F.C. Kahuna - 'What Is Kahuna (Fatboy Slim Remix)
fc kahunaはkafuna cutsというレーベルも手掛けていたこれもまたbig beatの有名どころ。ただ、いまいちピリッとしないまま消えてしまい、fc kahunaもcity rockersやskintからリリースするようになった。この曲はfatboy slim大先生によるリミックス。スクラッチと彼が当時よく使っていた荒々しいブレイクビーツが特徴的なトラック。っつうか、このCD、fatboy slim関連が多すぎ!

19.
Midfield General - Devil in Sports Casual [HD]
- YouTube

skint総帥damian harrisによるmidfield generalの代表曲。声ネタと派手派手しいビートと不穏なベースラインで、どこかダークに人を煽るようなトラック。ちなみにdamianは自分でプログラミングなどをしないらしく、この曲はfatboy slimも手掛けるsimon thorntonがエンジニアリング。

20.
Mr Scruff - Spandex Man
- YouTube

そして、全40曲のラストはmr. scruffのユーモラスなブレイクビーツ。今やninja tuneの看板の一人だが音のテイストは割と今まで変わらずにユーモラスでジャジーなテイストを持ち続けているのは面白いところ。しかし、この曲、アルバム曲なんだが、なんでこんな渋い曲で終わるんだ?


ということで、ビッグビートのコンピなのに半分以上が世間が考えるビッグビートじゃないあたりにこのCDの肝がある感じです。いやはや面白いコンピですが、まあ、考えてみるとビッグビートが完全に終わってからもうすでに10年たつという今だからこそ、できたコンピなのかもしれませんな。