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"Big Beat Anthems"の曲を全曲紹介するよ。(その3)

第3回の記事です。(前回まではこちら⇒ その1その2

さて、ここからはDISC 2になります。まずは前半10曲。

1.
Wildchild - Renegade Master (Fatboy Slim Old Skool Mix)
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1枚目がロッカフェラスカンクなら、そりゃ、2枚目はRenegade Masterよねってことで、fatboy slimのもう一つの出世作です。これ、いまだに平然とクラブでかかりますからね。実は原曲には「Go! Go! Go! Go!」ってあおりまくるフレーズは入らないんですが、今聞くと、むしろオリジナルができの悪いリミックスに聞こえるくらい完璧なリミックス。

2.
RUN-DMC vs. Jason Nevins - It's Like That
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ついでヒップホップの当時の名リミックスってことでJason NevinsによるRun DMCのハウスミックス。当時、これすごく評価が高かったらしく、リリース当時のmixmagの年間チャートではあのbrimful of ashaを抑えての1位だったりします。もう押せ押せのビッグビート風ハウスですな。キックの重さが非常にビッグビート感高し。

3.
Mr. Oizo Flat Beat
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今やフランスのエレクトロ番長の感すらあるMr. Oisoのデビュー作。ものすごくシンプルなエレクトロブレイクビーツトラックで、このPVにでるフラットエリックというぬいぐるみが人気で、彼とこの曲を起用したリーバイスのCMが爆発的ヒットしたあげく、カンヌのゴールドライオン(最高賞)をとったという逸話のある曲。しかし、いまだになんでこれが受賞したのか解せない(笑)

4.
House Of pain - Jump Around Music Video
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ついでhouse of painの大ヒット曲。これをネタに使ったビッグビートクラシックstretch & vernのget up & go insane!の方を収録するかとおもったのですが、あえてこっちを選ぶあたりに明確なセンスを感じますね。このバックトラックとコーラスの掛け声は何度聞いてもご飯が何倍も食べられるカッコよさ。

5.
Here Comes The Hotstepper - Ini Kamoze
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これ、全然しらなかったのですが、面白い曲ですね。ラガヒップホップだけど、ダンス天国のコーラスを引用しつつ、歌はcome togetherの引用。どうやら94~95年くらいの大ヒット曲だったらしいですね。ヒップホップ界隈でもヒットしたとのこと。この過剰なネタっぽさは非常にビッグビートな匂い。

6.
FREESTYLERS FEAT. TENOR FLY B-Boy Stance
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そして、ビッグビート界隈でもっとも不良臭がぷんぷんするレーベルFreskanovaから看板のFreestylersの大ヒット曲。ビッグビートというジャンルをヒップホップとレゲエの最新型と明確に位置付けていたのは彼らだとおもう。この流れで聞くと彼らとhouse of painなんかは確実に地続きに思う。

7.
Cut and Paste - Forget it
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cut & pasteはfreskanovaからもリリースしていたユニット。メンバーはfreestylersのMatt Cantorと後のplump djsのAndy Gardner。この曲はfreskanovaではなくfreshからリリースの初期作。アシッドなベースラインとスクラッチとアパッチのブレイクで完成度高いトラックですな。この曲もfatboy slimのon the floor at the boutiqueに収録されてる曲で、このyoutubeもそこからとってる。

8.
Underworld - King of Snake
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ある意味fatboy slimつながりで、norman大先生もリミックスしているunderworldのking of snake。アンダワ特有のズンドコビートにのってボイスサンプルが入りまくる大箱ハウストラック。アンダワをビッグビートに含めるかという問題はけっこう大問題なんだけど、この曲に関しては割と入ってもおかしくないように思う。しかしBPMが速い曲。

9.
Basement Jaxx - Fly Life
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basement jaxxの特に初期作はビッグビートと相性の良いハウストラックが非常に多かった。summerdazeとかred alertを収録するかと思ったら、fly lifeってのはちょっと意外だけど、この曲のようなボーカルサンプルの乱れうちとか特徴的なサンプリングを使いまくる形は非常にビッグビート的。

10.
Mint Royale - Sexiest Man In Jamaica
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日本ではescalator周辺がプッシュしたこともあって非常に人気のあったmint royaleだが、1stがひたすら60年代から70年代のサンプルを使いまくったハッピーな曲で構成されていたのに対し、この曲を含む2ndではややシリアスなダンストラックになっていた。UKではfatboy slimもbig beach boutiqueでこの曲を使用したヒットトラックだが、日本では人気はいまいちだったような印象。今聞くとファンキーなハウストラックでありだと思うんだけどね。

ってことで、後1回で終了って感じか。
このCD、改めて書いてみるとかなりfatboy slim中心史観のトラック選曲ですな。

"Big Beat Anthems"の曲を全曲紹介するよ。(その2)

前回の続きです。
今回はDISC 1の11曲目から20曲目まで。
これ書いてて気づいたんだけど、どうやら、このコンピ2~3曲で一塊りな感じの選曲なのね。

11.
Mekon - Whats going on (feat Roxanne Shante)
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今回はビッグビートの看板レーベルwall of soundの代表アーティストmekonから。mekonはレーベル内でロック寄りなAgent Provocateurというユニットをやってたり、さらには元Psychic TVだったりとなかなか長い経歴のアーティスト。この曲はビッグビート末期のスマッシュヒットでした。

12.
Mr Natural - That Green Jesus
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この曲は全然しらなくて、なんでこの曲と思ったんだけど、調べたらfatboy slimのon the floor at the boutiqueに収録されてたのね。トラックとしては非常にビッグビートの典型的でちょっとアシッドが入る骨太なブレイクビーツ。ちなみにこのyoutubeもon the floor atから引っ張ってきたやつみたい。

13.
The Charlatans UK - Nine Acre (Chemical Brothers Remix)
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ここでcharlatansのヒットトラック。chemical brothersによる名リミックス。当時のコンピには非常に高い確率で収録されていたように思う。今聞くとケミカルのリミックスも若々しい。元曲はアルバムの1曲目のNine Acre Court。

14.
LEFTFIELD feat. AFRIKA BAMBAATAA - Afrika Shox
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異業種交流ってことなのかな、この辺は。leftfieldafrika bambaataを招いて作った大箱ダンストラック。ビートの作り方はどちらかといえば、breaksっぽい感じかなあ。個人的にはそんなに興味なかったトラックだが、こういうのを選ぶのはUKっぽいところ。

15.
Scanty Sandwich
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ここでbigbeat界のトップヒットの一つscanty sandwichのbecause of you。southern friedがブレイクしたのはここからといってもいいのかも。これは本当に日本国中どこでもかかってた。マイケルの声がループして派手派手ないかにもbigbeatって音にうようよするベースライン。

16.
Apollo 440 - Ain't Talkin' 'Bout Dub (HQ)
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大ネタしばりかこの辺は。これはビッグビート前夜っぽいapollo 440のドラムントラック。これ、今も使えるいい曲だなあ。元ネタはいわずとしれたvan helen。apollo 440は最初スピードガラージで2ndでドラムンになって、3rdでビッグビートになるというわかりやすい変遷でした。

17.
E-Z Rollers - Walk This Land (Lock Stock Full Length Mix) [1080p]
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ってことで、ジャンプアップ系ドラムンのE-Z Rollers。当時流行の映画Lock Stock & Two Smoking Barrelsのサントラ曲らしいですね。女性ボーカルをフィーチャーして、シュッとしたホーンのサンプルがなる端正なジャンプアップ、って矛盾してるな。

18.
Jungle Brothers - Jungle Brother (Aphrodite Urban Takeover remix
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ついで、当時、UKのブレイクビーツシーンに積極的に切り込んでいたジャンブラの曲のリミックス。リミキサーは当時、大活躍していたUrban Takeover。 非ドラムンのダンストラックをジャンプアップにリミックスさせることに関してはこの人たちがトップだった。

19.
Bomfunk MC's - Freestyler
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この曲もあんま知らないんだよなあ。ドラムンを思いっきりトラックにとりこんだラップトラック。調べたらフィンランドのアーティストなんですな。どうりでヨーロッパっぽいけど、ちょっとダサい感じがすると思った。ブレイクビーツでウワ物にトランスっぽいのが入るのはたいてい北欧です(笑)

20.
origin unknown valley of the shadows
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disc 1のラストはorigin unknownによる90年代前半の初期ドラムントラック。ちょっと浮遊感のあるウワ物と女性の語りが美しいトラック。こういう音は確かにビッグビートの周辺という意味では非常に正しい。

さてさて、この辺でうすうすと気付くかと思いますが、このコンピ、全然ビッグビートが入ってません。半分近くは世間的にはビッグビートと考えられてないトラック。そして、それがこのコンピが評価に値する理由でもあるのです。

"Big Beat Anthems"の曲を全曲紹介するよ。(その1)

前回の続きです。

リストの曲をそれぞれ1曲づつコメントしていこうかなということで、まずはDisc 1の1~10曲目まで。

1.
Rockafeller Skank by Fatboy Slim (High res / Official video).mp4
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言わずと知れたビッグビート界隈最強のアンセムですね。2000年前後にクラブミュージックが好きだった人で、この曲を聞いたことのない人はいないんじゃないでしょうか。ただ、この曲はかけようとすると意外と使いにくく、norman cook大先生もremixの方をかけることが多いようです。

2.
YouTube - Broadcast Yourself.

rockafeller skankの次にこの曲をもってくるなんて、おなかいっぱいを通り越して、胸やけがするくらいですが、これもまたnorman cook大先生のベストトラックの一つ。本人が原曲が好きだから作ったというだけに愛があふれるリミックス。gapのCMソングとして使われてましたね。

3.
The Prodigy - Smack My Bitch Up (Uncensored, Excellent Quality)
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3曲目はprodigyの大ヒットアルバム fat of the landの1曲目。これもまた90年代のクラブアンセムですな。個人的にはprodigyってそんなに好きじゃないのですが、ロックとダンスの橋渡しという意味では彼らは最大の功労者だと思う。

4.
Groove Armada - Superstylin'
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ここでgroove armadaというのがこの選曲の面白いところ。2001年なのでビッグビートの終り頃の曲だし、groove armada自体どちらかといえばハウスユニットなんだけど、ラガラップとベースラインの組み合わせが非常にビッグビートっぽい。

5.
Les Rhythmes Digitales - Jacques Your Body (1999) ►STEREO◄
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エレクトロっぽさを引き続きといいつつ、wall of soundでブリブリといわせていた時代のles rhythmes digitalesの代表曲。この曲はUKで後にCMソングに使われてリバイバルヒットしてたりしたので、知ってる人も多いはず。しかし、当時はjaque lu contがまさかmadonnaのプロデューサーになるとは思いもしなかった。

6.
Funk Phenomena (Old Skool Junkies Part 2 ) - Armand Van Helden
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エレクトロっぽさはさらに続いて、armand van heldenの初期のヒット曲。ブリブリのエレクトロ趣味ですな。彼は意外とエレクトロなルーツを表に出すタイプ。まだ1リミックス1万ドルとか言われる前かな。ビッグビートブーム当時、armand van heldennorman cook大先生のライバルでして、四角いジャングルで戦ったこともあります。

7.
Kowalski -Primal Scream-
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そして、なぜかprimal screamのkowalskiへ。確かに時期的にはこれビッグビートの時期だったけど、個人的にはそういうイメージが薄いのでちょっと意外なチョイス。むしろ、screamadelicaかburning wheelのchemical brothers remixのほうがしっくりくる気もする。ダブ的な要素という意味ではわかるんだけどね。

8.
Death in Vegas 'Dirt'.
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あ、こういうことか当時のシーンの中でもダブの要素をはっきりと打ち出していたdeath in vagasの曲をここで出すのなら、前の曲がkowalskiってのはわかる。ビッグビートのダークでスモーキィなイメージの代表格は彼らだと思う。今聞くとニューエレクトロだよね。

9.
45 KING THE 900 NUMBER
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スモーキィなイメージから45 kingのクラシック! ひたすらに1ループするサンプリングビーツ。なのに最高にかっこいいってのがヤバい。これは1990年のトラックだけど確実にビッグビートのルーツだし、当時よく一緒にかかってた。

10.
King Bee - Back By Dope Demand
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そして、前曲と同年のリリースのミドルスクールクラシック。元ネタは立花ハジメがbambiでも使ってたharbie hancockのwiggle waggle。もともとはオランダ産なんですな。UKではマッドチェスタークラシック扱いでもあるとか。雰囲気的にわかるわ。

ってことで、最初の10曲でした。